ヤクザなおばさんに出会ったのは、19の夏。 「おぅ、よろしくな!」 と、畳の部屋の休憩室で、タバコを寝転んでふかす、あのヤクザなおばさんに出会った。 「怖いものは、世の中にあるな」と、正直思った。 深いシワの奥に、真っ白に塗装されたファンデーション、真っ赤な口紅が、 あの人のかつての'美'を感じさせた。 ナメるとか、ナメないとか、そんなくだらない次元を超えた、あの人の'怖い'が、本当に格好良かった。 あの人は今、どうしているだろうか?