あの隙間から見上げた空

学さんは器用に
カルボナーラを
フォークに巻きつかせていく。

あたし全然うまく巻けないし。

麺類なんか頼むんじゃなかった。
ドリアみたいに
スプーンで食べるものに
しとけばよかったぁ。

学さんの食べ方
きれいだな、
おんなじものなんか
頼むから余計差がでちゃう。

あたしの
そんな気持ちを
読み取ったみたいに


「緊張してると
ごはんがおいしく食べれないじゃん。
俺なんかに緊張しなくていいからさ。」

まあ確かにそうなんだけどさ。

でも初対面の、しかも
男の人と
一緒に食事
なんて
あたしの行動パターンには
ないし。