宗吾の匂いに、その力強い腕に酔いしれてると、宗吾の腕が急に離れた。

呆気にとられていると、宗吾はベッドから抜け出した。

「…あの?」
「…俺、これから仕事なんだ。名刺、置いておくから、何時でも連絡して」

「…え、あ」

さっさとスーツを着た宗吾は、颯爽と、部屋を出ていった。

私はノロノロと起き上がると、布団を体に巻き付け、名刺を手に取りそれを見た。

「…」

私は目を瞬かせた。

高嶺コーポレーション
専務取締役
高嶺 宗吾

それが彼の肩書きだ。