「理恵と杏樹は今日は10時に家を出るんだったよな」と確認する父
「えぇ、杏樹の引っ越しは13時から始まる予定よ 荷物が少ないから1時間で終わると思うわ」
「そうか」
「買い揃えた物も15時には到着して、家具家電はあるから荷物を片付けるだけ」と今日の段取りを確認する母
「ガスと電気も業者に夕方にはきてもらえるし、お母さんが3日も京都にいなくても大丈夫だよ」
「あら、片付けや買い足す物もあるのよ それに少しでも母娘の時間を過ごしたいから3日間は必要よ」
「理恵だけずるいぞ 私も杏樹と父娘の時間を過ごしたい」
「あら今まで月に1回あったでしょ」
昔からお母さんが子育てを1日忘れられるように月に1回父と兄と私3人で過ごす日があったが、兄が全寮制の学校に進学してからは父と2人で出掛けていた。
「まあそうだけど でも杏樹と過ごしたい」
「じゃあ月に1回京都に行けばいいでしょ」と母が提案したら父は目を輝かせて朝食を食べた。
その姿を見た私は父なら月に1回本当に京都に来るということを予感した。
その後父は朝食を食べ、身支度を整えて出勤した。

