「沢山の人に番組を観て頂いているのは、大変嬉しく思います。 そして……その中に、 私の "大切な人" もいて欲しい、 とは思いますね。」 彼はカメラから視線を逸らさず、清々しいほどの笑顔を見せて告白した。 それが画面越しのはずなのに、まるで自分と目が合っているように思える。 一体、今、全国のどれ程の視聴者がそう感じているのだろう。 ─────"大切な人" ? 言葉の破片が、心に微かに突き刺さる。