「どうでしょう……有難いことに最近は忙しくて、無いのかもしれないです。
ただ僕の演技で、皆さんがドキッとしてくれたらいいなぁっていう思いはあります!」
相変わらず率直に答える颯さんの笑顔が眩しい。観覧席の黄色い歓声がテレビにもしっかり入っている。
「……じゃあ好きな人も、現在はいらっしゃらないんですか?」
八王子アナが更に質問を掘り下げたことで、颯さんが驚く。
「好きな人!?い、いない、かなぁ……。」
「ちょっと怪しいですね。」
狼狽える颯さんに、八王子アナは平然と切り返した。
「その返事、私の目を見て、もう一度言ってくれません?」
この声と視線だ。人気俳優と対峙しても尚、引けを取らない、見る人を魅了する圧倒的カリスマ性。

