「八王子アナの言葉を信じる、
というより、"信じてみたい" 。」
あの時、向けられた眼差しを、"好きだ" という言葉を誰よりも私自身が受け取りたい。
安定ばかり求めていた自分を乱す、あの刺激的な甘さに魅了されてしまった。
そう想うほどに私は、
───彼に好意を寄せているらしい。
「私、好きなんだ、八王子アナが。」
自然と口から溢れた言葉を、
「だから、最初から言ったでしょ。二人はお似合いだって。」
と友人は笑い飛ばした。
「冗談とか言ってたクセに。」
「それは否定出来ないけど……
って言ってる場合じゃないわ。」
時計を見た涼子はリモコンを手に取り、即座にテレビをつける。

