楽屋挨拶でも感じたが、ドラマや映画では、いかにも"イケメン"という役柄を演じていることが多い気がする為、もっとクールな方かと思っていた。
いや、単に緊張しているだけか……?
どちらか分からないが、収録は進んでいく。
「というわけで、数々のイケメンを演じられ、普段のご自身と比べていかがですか?」
進行台本通りの質問にも、うーん、と颯さんはその場で考える。
「……僕は、ほんとは全然イケメンって訳じゃないです。モデル上がりでお芝居もまだまだ未熟なので、素敵な役柄に少しでも近付けるよう、一生懸命やらせてもらってます!」
大きな瞳で真っ直ぐ回答され、その勢いに圧倒されてしまう。
ただ予想に反して、案外親しみやすいタイプの方みたいだ。
CMに入るであろうタイミングで収録を一時停止して、テープチェンジと休憩に入る。
「僕、大丈夫ですか?上手く喋れる自信がないので、沢山話を繋げてもらって有難いです!」
カメラの回っていない中、颯さんは先程と同じ様子で八王子アナと私に話しかけた。

