一の位が新しく変わったカレンダーに見慣れ始めたというのに、相変わらず外では雪が舞っている。

外は寒いと分かりきっているが、仕度をする自身の心は暖かい。

首元で、自身のイニシャルが輝く。

「……まずいっ、急がなきゃ。」

煌めきに見惚れていたら、約束の時間が迫っていることに気付く。


クリスマスの夜、想いを伝え合って以降、彼と会う時間は全く無かった。

年始も活躍する八王子アナのスケジュールは凄まじいもので、私自身も年始の番組があったからである。

イレギュラーな放送番組が全て終了し、
私は『Weekdays night』と『8+2=』、
彼は、朝の顔とその他4本のレギュラー番組をこなす日々が復活した頃には、既に年が明けて半月が経過していた。