三津代は、自分ではお金にしっかりしているほうだと思っていたので、大人の三津代の借金が理解できなかった。


15歳の三津代は、チャゲ&飛鳥のコンサートに行くために、毎月の小遣いをコツコツ貯めるような、堅実なタイプだ。


「でもとりあえず、このニコチャンローンってとこからはもう借りてないんだよね。
良かった。」

お金を借りたら利子がかかるのはわかっていた。

何故なら、親戚でヤクザの清一叔父さんが、

「利子だけでも払わねえと、家族一人ずつブッ殺すぞ!!」

などと、脅しの電話をよくかけていたからだ。


次に柴田さんに会ったら、お金のこと聞いてみよう。
借金は大金だけど…

私が借りたお金なんだから、私が返さなくちゃだよね。

それに あの柴田さんに借りを作ったままにするのは、正直いやだ。

多分かなり助けられてるんだろうけど…

これ以上あのおじさんと、距離を縮めたくはなかった。

何て言うか…生理的にダメだった。