三津代はなるべく息をきらしながら、担当医の元を尋ねた。


「…あ、あの!!私は何でこんな所にいるんでしょうか?!

む…娘と約束が…あるんです!!待ってるかも…知れないんです。」


医者は一瞬目を開いて三津代を見た。

「き…か、加藤さんですよね?」


「え?私が加藤じゃなかっら、一体だれなの?!娘が…なつめが待ってるんです!失礼します!!」

そう言いながら三津代は、何だか本当になつめが自分を待っているような気になっていた。

「あ…加藤さん!!

用事が済んだら一端病院に戻って下さいね!!」


返事もせずに三津代は全力で走った。