今度の夢に、小林君はいなかった。

その代わり、あのハゲた柴田とゆうオジサンが出てきた。


私は木に縛られ、助けを求めていた。


そしたら柴田が駆け寄ってきた。

「み、三津代さんっ!!今ほどきますから!!私が助けますから!!!」


柴田の唾が顔に飛び散る。息がひどく臭かった。

ほどけたら全力で逃げようと強く思っていた。

しかし柴田は、すぐにはほどかずにその臭い息を私の顔の目の前まで近づけて

唇を押し当ててきた。


タバコくさい柴田の口に、今にも吐きそうだった。


柴田は興奮し、私の前歯を舌先でぐりぐりと舐めた。

気持ち悪い臭いと感触が広がり、

私は気がつくと、柴田の上唇を噛みちぎっていた。


「ギャアアアアアッ!!!」



…柴田の叫び声で、目が覚めた。


冷たい汗で全身が湿っている。


目を開けると、実際に柴田が叫んでいた。


「ギャアアア~!!
看護婦さんっ!蜂!蜂!

スズメ蜂がいますよ!!

私の頭に今!!ああああ!!」


目が覚めても、悪い夢の続きだった。