『あの人が成瀬玲だよ』 彼に少し見とれていた私に、こそっと耳打ちするようにささやいてきたゆきちゃん。 「確かに、かっこいいね」 『でしょ。あれは惚れるわ』 「ふふっ」 『こころはコロッといきそうだね、さてっと席はどこかな~』 ――コロッと、、、コロッと惚れてしまいそうってことだよね。確かにかっこいいし、少しドキドキしたけど、それはないと思う。