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午後の授業を終え、部活へ行く速水花音様達と別れて私は進路指導室へ来ました。
「失礼いたします。」
「来たか………そこ座れ。」
「失礼します。」
進路指導室に入るのは初めてですが、進路指導室とはソファーやテーブルがあるような豪華な部屋なのでしょうか?
………まぁいいか。
「それで?俺に頼みたいことってのは何だ。」
「単刀直入に言いますと、紫雨財閥の仕事の一部を手伝ってもらいたいのです。」
「は?紫雨財閥の仕事?俺が!?」
「勿論、してもらった仕事内容に見合うだけの報酬はお出しします。固定給+出来高払いで。」
自分の立場をよく理解せず、仕事を放り出してどこかへ行ってしまうお父様はもういいです。
使えない奴に仕事をさせるよりも、私の仕事の一部を一条聖斗先生のような優秀な人材に任せて、その手伝ってもらった分の空いた時間をお父様がする筈だった仕事に使う。

