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「それで一条聖斗先生、私に一体どのようなご要件かお伺いしてもよろしいですか?」
私は今、何故か普段使われている音楽室の奥のさらに奥の部屋に居ます。
応接室の様なこの部屋にはソファーとテーブルなどがあり、私はそのソファーに座っています。
この部屋には、一人用のソファーに座る一条先生の他にもう一人。
「用があるのは私です。紫雨さん、突然呼び出してすみません。」
そのもう一人が、今私の目の前のソファーに座っている音無詩音先生です。
「紫雨潔音さん、貴方に是非参加してもらいたいコンクールがあります。」
「コンクール………ですか?」
呼び出された理由がコンクール………?

