「そうですか………それなら良かった。ご存知とは思いますが、潔音は青蘭学園に入る前はアメリカの大学に通っていましたし、まぁこの家の娘なので同じ年頃の子供と話す機会があまりなかったんです。だからちゃんと馴染めるのか心配していたんですけど、大丈夫そうですね。」
表面上は馴染めているが、紫雨の心情的には全く馴染めてないだろうと思う。
「ただ、お昼はいつも如月兄弟達と食堂や教室で食事をしているんですが、コーヒーや紅茶しか飲んでないようなのでそこは改善点かと。」
「それなら潔音は医療関係の知識も豊富ですし、自分用に栄養剤を作って飲んでいるでしょうから大丈夫なんじゃないんですか?多分ですけど。
そもそも潔音は家でも滅多に食事をしませんし、それを改善する気はさらさらないみたいだから何を言っても無駄だと思いますよ。」
…………こいつ、本当に紫雨の父親なのか?
紫雨を心配しているのは学校生活を聞いてきた時の安堵した表情とかからわかるが、さっきの言葉はとてもじゃないが父親とは思えない発言だった。
娘が食事をしていないのなら、普通親は心配するだろ。
紫雨があんなふうになったのはこいつが原因じゃないのか?
〜聖斗side end〜

