〜茜side〜



私達が恭弥さんが呼び寄せたらしいマナーの先生からマナーの基本を教わって、今日の分を終えてちょうど一息ついた時、潔音ちゃんが着物を着て荷物を持った女の人と部屋に入って来た。



「お邪魔いたします。
如月茜様の結婚式のカラードレスが大方完成しましたので、サイズ確認の為にご試着をお願いできますか?」

「もう出来たのか?流石潔音、仕事が早いな。」

「このドレスはロングトレーンなので歩き方も着たついでに覚えてしまいましょう。」

「あれ、潔音ちゃん?」



潔音ちゃんは満面の笑みで近付いた恭弥さんに見向きもしないで私のところにやってきた。



「如月茜様、その後マナーの基礎は覚えられましたか?」

「まぁ焼付け刃だけど、何とか………。」

「潔音ちゃん?」

「それは何よりです。
では、私の方から少し問題を出しましょうか。傾き約15度の軽いお辞儀は何と言うでしょうか。」