「潔音様も旦那様が余計なことばかりなさるからお疲れでしょう。休める時にはきちんとお休みになってくださいね。」

「でもスケジュールが詰まっているので、こうやって予定が空いている時に詰め込まないと後が大変なんですよね。」

「そうですね………。それにしても、旦那様の無茶振りにも毎回困ったものです。今も如月茜様、如月稜様、如月慧様の為のマナー講座を理由に仕事をサボっておられるようですし。」



それは本当に如月茜様方のマナー講座を見守りたいという思いと、如月茜様と一緒に居たいという思いが混ざっていますね。



「あの人のあれはもう仕方が無いと思っていますから。重要な書類仕事をサボった時は勿論制裁を加えていますが、今はその制裁を加える時間すら惜しいので存在を無視する方向に決定しました。」

「潔音様、旦那様が勝手に青藍学園中等部への編入手続きを済ませていたこと、かなり怒っていましたしね。」

「当然です。それに明後日が編入日だなんて聞いていませんでしたし。」



お父様には人の怨みは根深いということを思い知らしてやります。



「あぁそうです梓さん。結婚式のカラードレスが大方完成したので、如月茜様のところまで運んでもらえませんか?私はもしサイズが合っていなかった時の為の小道具とかを持って行きますので。
着てもらったついでに、ドレスを着た時の歩き方なども練習もしてもらいたいですし。」

「承知いたしました。
ですが、まずは休憩をしてからです。」

「…………ですよね。」