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車に揺られて辿り着いたのはお墓。



今日は私の母であり、お父様の前妻でもあった紫雨潔香様の命日です。



お母様は10年前の4月4日のこの日、亡くなりました。



「ここに来るのも1年ぶりか………。」

「去年ここに来て以来一度も訪れていないとは………最低ですね。滅びろ、呪われてしまえ。」



あの頃と言い今と言い、どうしてお父様はこんなにも不甲斐ないのでしょうか………。



「潔音ちゃん潔音ちゃん、小声で言ったつもりなんだろうけどばっちりと聞こえてたからね?」

「お母様、お父様がここに来られなかったのはあの女……もとい、如月茜様を捕まることに忙しかったからなんです。こんな奴ですが、どうか寛大な御心で見守ってあげていてください。」

「無視?無視なの?って言うか潔音ちゃんはいつから俺の母親になったの?いやそれ以前に今茜のことあの女って言った!?言ったよね?やっぱり茜のこと認めてない?それと俺のことこんな奴って言った!?」