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30分程でその目的の場所に着いたらしいのだけど、その目的の場所と言うのが超高層ビルだった。
今はそのビル内のどこかの部屋に居るのだけど、はっきり言って高級ですと素人にもわかるようなもので埋め尽くされているこの部屋は心臓に悪い。
「それで、ここに茜達を連れて来た理由だがな、茜には話したんだが結婚式で茜が着るドレスをデザイナーの皇一紗に作ってもらおうと思ってる。」
「えっ!?皇一紗って、あの皇一紗!?」
「最高級ブランド店ロイヤルと契約してる世界的大人気デザイナーの皇一紗だろ!?マジ?」
「あぁ。で、その当の本人は自分が皇一紗だということはあまり周りに知られたくないらしいからこっちに移ったんだ。」
………?
その言い方だと、まるで皇一紗が私達と一緒に行動をしていたように聞こえる。
「知り合いやその時の状況に応じて教えるのは構いませんが、あの様な沢山の人が居る場所で正体を明かす気にはなりません。」

