恐らくは、さっき恭弥さんが言った条件を元に私たちの行く場所を探しているのだろうけど、キーボードを打つ手が速すぎて何も見えない。
「ありました。」
最後にEnterらしきキーを押して、潔音ちゃんはそう言った。
「どこだ?」
「私個人が持っているビルがここからさ程遠くない場所に。最近使っていなかったのですっかり忘れていましたが、そこならお父様の言った条件もクリアしています。
今ナビに情報を送っているので、地図を少し縮小して確認してください。赤い印があるはずです。」
恭弥さんが言われたとおりにナビを操作していると、潔音ちゃんの言った通り地図上に赤い印が浮かび上がった。
「ここか………まぁここなら遠くもないな。」
そう恭弥さんは呟いて、車を目的の場所に向けて移動させた。

