縛られし者





父さん………?



「あぁ、マジ。で、今回は潔音を茜達に紹介すると同時に頼みたいことがあってな。」

「頼みたいこと、ですか。」



このタイミングでの頼みたいこととなると、あれしかありませんね。



「まぁその話はここを出てからにしましょう。これからさらに驚くようなこともあるでしょうし、お父様には仕事も、ありますから。」

「げ………。」



仕事もの部分を強調させて言えば、そういう言われ方をする心当たりがあるのでしょう、お父様は盛大に顔をしかめました。



「まぁ潔音の言う通りだな。食事も済んだし、移動するか。茜、稜、慧、善は急げだ、移動するぞ。」



如月茜様達にそう声をかけたお父様は、残ったコーヒーを飲み終えてから立ち上がりました。



「移動?どこへ?」

「とりあえず、それは車に乗ってから話す。」



と言うよりも、行く場所が決まってないだけなのでは?