紫雨がさっき言っていた、許可が降りてから毎日会いに行っていたと言っていたのはそういうことだったのか。
「勉強にも力が入るようになりましたし、時間制限はあったもののお母様とも会えるようになり、あの頃の毎日はとても充実していました。
しかしお母様の容態は安定しているとは言え、かなり危ない状態でした。その上更にお父様が少しずつ、しかし確実に弱っていくお母様を見ていられなくなったのか、私とほぼ入れ替わるようにしてお母様に会いに来なくなりました。………そう言えば私、お父様とお母様と私の3人、世に言う家族で揃ってあったことって、片手で数える程しかないんですよね。」
「片手って、つまり最高でも5回までしか紫雨が家族全員で過ごしたことがないってことか?」
「そうです。まぁお母様とはお母様とだけ。お父様とはお父様とだけと、殆ど別々に会っていましたから。私はその頃から既に家庭教師が付いていて、日々勉強三昧でしたからどうしても海外で仕事をしているお父様とは予定が合わなくて………。」
いや予定が合わなくてって、そこは予定を合わせてもらうところだろ。
いや寧ろ予定を合わせろよ紫雨恭弥。
何してんだよ………、お前夫で父親だろ。

