縛られし者





「お母様は亡くなる前、少し精神を患っていたんです。」

「精神病か?」

「いえ、あれは病気ではないです。ただ不安やストレスから来るものだったと、私はそう思っています。」



まぁ、ストレスは心以外の体にだって影響を及ぼすものだし、精神を患ったって仕方がないか………。



「お母様は重篤な再生不良性貧血という病気で、死因は再生不良性貧血からなる敗血症による多臓器不全でした。敗血症は亡くなる一週間程前から発症したそうです。」



敗血症と言えば、3人に1人が亡くなっているといわれる脳卒中や心筋梗塞よりも死亡率が高いとされる病気のはず………。


それに再生不良性貧血は難病指定されている病気で、重症ならば定期的に輸血をしなければならない。



「お母様は元から体があまり丈夫ではなかったこともあり、私が1歳の頃に寝たきり状態になってしまったそうです。
それから、月日が流れ、お母様の容態が悪いなりに安定し、私自身も物事の判断を冷静に下せるようになった3歳の誕生日の日に、誕生日プレゼントとしてお母様に会うことが許されました。
あの頃の私は、ずっと病気だからと言われて会うことが許されなかった母親に会えたことが嬉しくて、毎日のようにお母様に会いに行っていました。」