「だから私、一条聖斗先生が好きなんでよ。」
ふふふっ……と楽しそうに笑った紫雨の様子を見れば、何とも言えなくなった。
「お父様もお母様も、私は嫌いでした。好きだったのは、血の繋がりなんて一切無い親友とその母親。」
今の紫雨の言葉で、一つ疑問に思ったことがある。
「一ついいか?」
「どうぞ。」
「お前が母親を嫌う理由がわからないんだが………。」
そう言った時、紫雨の体が微かにはねたのがわかった。
「お前が紫雨恭弥を嫌っている理由はよくわかった。だが、母親の方は旦那に見捨てられただけで嫌われる謂れはないんじゃないか?」
「………一条聖斗先生って、心広いですか?」
「は?」

