「そんな私に、梨沙さんがこう言ったんです。作り笑いばかりしていると本当の笑い方を忘れてしまうから、忘れない為にもたまには私自身の心を息抜きさせてあげて………と。梨沙さんは、泣くことが出来なくなりかけていた私の泣き場所になってくれたんです。梨沙さんの前でなら、私は素直に泣けたんです。 」
作り笑いばかりしていると、本当の笑い方を忘れてしまう?
どっかで聞いたようなフレーズなんだが………どこで聞いたんだったかさっぱり思い出せない。
「梨沙さんが亡くなってから9年間、この言葉を聞くことはありませんでした。一条聖斗先生が、私に学園の中を案内している時に言うまでは………。」
………そうだ。
あの時、紫雨に校舎の案内をしていた時に、俺が紫雨にそう言ったんだ。
「いや、だがあれは………お前の表情があまりにも動かなかったから言っただけで………。」
「だから嬉しかったんです。本当、初対面でそんなことを言われるとは思ってもいませんでした。」
それで俺は紫雨のお気に入り認定されたのか………。

