「………一条様のご想像通り、市販の栄養剤では満足されなくなった潔音様は、ご自身で栄養剤を作ろうとお考えになりました。薬を作るのに必要な資格はありませんので、潔音様はそれから製薬に関する専門書や資料を読み漁り、紫雨財閥の令嬢という立場をフル活用されて製薬関係の会社や工場、研究所、臨床試験の見学、果てには大学の教授に直接話を聞きに行ったりもしました。そうしてほんの僅かな期間で知識を身に付けた潔音様は、あっという間に自分専用の栄養剤を作ってしまわれました。」
容易に想像出来る………。
しかし、4歳からとは………知らなかったとは言え、紫雨恭弥の行動は父親にあるまじきものだな。
「そして潔音様は、栄養剤以外の睡眠薬や造血剤なども作り出すようになったのです。」
まぁ、紫雨の性格上そうなるのは時間の問題だよな………。
薬を作る手間さえ省けば、楽して生活の質を元に戻すことが出来るのだから。
「その頃の潔音様を肉体的に支えていたのは、栄養剤やその他の薬などでしょう。そして、潔音様を精神的に支えていたのが皇梨沙様と皇一紗様です。」
「それって、確か紫雨の恩人と親友の………もう亡くなったっていう………。」
「………ご存知だったのですね。」

