「病と闘う母親に笑顔を………。潔音様はその思いだけで、潔音様は潔香様の前では笑うようにしていました。例え、どのようなことがあっても………。」
今でこそ無表情にも等しい貼り付けられた笑顔だが、始まりは母親の為だったのか………。
「しかし、その頃から潔音様と旦那様との間にすれ違いが起き始めるようになりました。そのすれ違いは次第に亀裂となり、その亀裂は修復不可能な程深く大きな溝を作るまでになってしまいました。」
「それはまぁ、紫雨親子を見ていればよくわかります。
紫雨は紫雨恭弥のことを快く思ってなく、紫雨恭弥は紫雨に対して罪悪感のようなものを感じているように思えました。」
「………流石は潔音様が認められた方なだけのことはありますね。よく見ておられる。」
そんなこと、あの2人を見てればわかる。
紫雨は演技の達人と言っても過言ないが、紫雨恭弥の方は普通に上手いなと思う程度。
いや、一般人からしたらトップ俳優並に上手いんだろうが………。
だが紫雨恭弥は、演技も達人級に上手くその演技で自分の心をも覆い隠してしまう紫雨よりはわかりやすい。
言葉の端々にもおかしい所はあったしな。

