紫雨の荷物を持ってもう一度紫雨の部屋に行く為に部屋を出ると、紫雨の部屋の前に着物を着た女性が立っていた。
「紫雨に用事ですか?」
「………潔音様をご存知なのですか?」
振り返った女性はそれはもう無表情で、まぁ厳格そうな………そんな感じの女性だった。
「まぁ、生徒ですから。」
「生徒………。もしや、潔音様のクラスの担任の一条聖斗様ですか?」
「はい。………貴女は?」
「申し遅れました。私、潔音様専属メイドの片桐梓と申します。」
専属メイドって………紫雨、本当にお嬢様だったんだな。
と言うかこの人、メイドと言うより女中の方が合っている気がする。
「一条様、潔音様がどちらに居られるかご存知ですか?コンクールからは帰ってきているはずなのに、呼びかけても全く出てこないのですが………。」
「紫雨なら今、俺の部屋に居ますよ。」
「一条様の部屋に………ですか?」

