縛られし者





本当に今さらすぎるだろ。



「お前は車を降りてエレベーターに乗って降りるまでは平然としていた。それには素直に感服したが、エレベーターを降りた途端倒れたんだよ。で、お前の部屋の鍵はどこにあるかわからないから、一時俺の部屋に運んだんだ。」

「あぁ、少し思い出しました………。ご迷惑を、おかけしてしまって………申し訳……ございません。本当は……部屋に入ってから、倒れる予定だったのですが………無理、だったようです。」



つまり、俺が紫雨の状態に気がついていなかったならば、紫雨は部屋の中で倒れていたと?


そして、翌日には何事もなかったかのように学校に来ていたかもしれない、と………。



と言うかこいつ、全く成長してないな………。



「わかった、もういい。もういいから寝てろ。お前の荷物……ヴァイオリンとかはお前の部屋に運んでおくからな。」

「すみません………、ありがとうございます。」



それだけ言うと、紫雨は眠りについた。



余程しんどかったのだろうし、寝ていなかったのだろう。