「あぁでも、一条聖斗先生なら恋人にしてもいいですよ。」
顔はいつも通り笑顔だったが、それが本心だろうとはわかった。
ただ、本当に恋人にしてもいいとは思っているのだろうが、恋人を作るつもりはないのだろう。
「嘘は言ってないが、それが全てでもないだろ。」
「あ、バレました？先生なら恋人にしてもいいとは思っていますけど、先程言った通り私は恋人というものを必要としていませんから、嘘と言えば嘘ですね。」
にっこりと笑った紫雨は、やはり侮れないと言うか考えていることがよくわからない。
「お前の腹はいつも読めないな。」
「私からすれば、一条聖斗先生も隠し事とか上手いと思いますよ？やはり元ご職業柄ですか？一条聖斗先生のご高名はかねがね………と言うか獅童怜音様から聞いていますよ。」
「獅童怜音って…………、まさかあの獅童さんか！？アクアのマネージャーの！」
「はい。一条聖斗先生と同じ、元Ｎｏ．１ホストの獅童怜音様ですよ。」
本当に紫雨の人脈は侮れないな………まさか獅童さんと知り合いだったとは。
