表示を見れば、お父様からかかってきているようです。
プライベート用のスマホということは、仕事のことで電話をしてきたわけではないということですね。
「噂をすれば何とやら、ですか………。はぁ、………もしもし。」
『潔音ぇぇぇえええええ!』
電話に出たくないという心の悲痛な訴えを泣く泣く無視して電話に出てみると、現在進行形で私を悩ませていた人の声が聞こえてきました。
それと耳が痛いです。
「お父様………。あのですね、もう少し声のボリュームを抑えてもらえませんか?予告無しでそのボリュームはきついものがあります。」
『いやぁ………何度かけても電話に出ないからどうしたんだろうと………。』
「どうしたんだろうであんな声を出さないでください。私は、忙しいんです。」
『それはそうと潔音、今どこに居る。』
今、明らかにお父様にとって都合の悪い方に向かおうとした話の流れを無理矢理に変えましたね。

