………こいつらの会話、中学生のじゃないだろ。
「潔音ちゃんって、仕事と彼氏ならどっちを取る?」
「仕事ですね。」
即答する紫雨。
だがまぁそうだろうな。
そもそも、自分の睡眠時間すら削って仕事をしている奴が恋人と仕事、どちらを取るかと言われればどう答えるかなんてわかりきっている。
「そもそも私は彼氏というものを必要としていません。私に何らかの利益があれば話は別ですけど。」
「じゃあ、彼氏が潔音ちゃんじゃなくて仕事を取ったとしたら?」
「正しい判断をしたと思うだけでしょうね。公私混同は良くありません。」
淡々と、しかしどうしてそんなことを聞くのかと不思議そうにしながらそう言う紫雨が嘘を言っているようには見えず、それは桐生嶺二も同じだったのだろう。
紫雨を見る目が、興味のある目から獲物を見つめる目になった。

