「霜月陽華、話がある。」
「私は貴方と話すことなんて何もありませんが。」
「いいから来い!」
最初より幾分かしおらしくなっていた朝比奈美琴が、霜月陽華を連れていった。
「潔音ちゃん優勝おめでと〜。」
そして、それを見計らったかのように今度は桐生嶺二がやって来た。
「桐生嶺二様も優勝おめでとうございます。素晴らしい演奏でした。」
「そお?ありがと〜。」
確かに、こんなチャラい見た目や口調に反して、桐生嶺二の演奏はどこか哀愁を秘めたものだった。
聞き手の心に訴える何かを持っているという点においては、紫雨や霜月陽華と同じだろう。
その中でも、紫雨と桐生嶺二には似ている部分があるように思えた。

