やはり、 親子と言うか姉妹と言うか…………こういうふとした時に、血の繋がりを感じるんですよね………。
「はぁ………。」
「潔音ちゃん、また仕事のことで悩んでるの?夏休みボケ治らない?」
「いえ、まぁそれもあるんですけど………。そもそも夏休みボケも一種の現実逃避なんですよね。」
「「「「「現実逃避?」」」」」
「………ほら、前に話しませんでした?私がヴァイオリンのコンクールに出るっていう話を。」
「そう言えばしてたな。」
「ヴァイオリンコンクールに出ること自体はいいんですけど、そのコンクールに会いたくない人が居るんですよね………。」
「会いたくないって………その人のこと嫌いなの?潔音さんが?」
そこでどうして信じられないみたいな顔をされるんでしょう………。
「いえ、別に嫌っているわけではないんですよ。ただ………ちょっと面倒なことになりそうで………。」
彼は私にとって、一種の天災のような方ですかね………。
「あれ………?でも、その……コンクールって、確か………。」
「…………………明日ですよ。だからこうやって現実逃避しているんじゃないですか。」

