こんなことをしている間にもできる仕事はあるというのに………。


やはりお父様は許せません。



「ねぇ潔音ちゃん。仕事って楽しいの?」

「楽しい………?」

「うん。だって潔音ちゃん、仕事熱心だけど楽しくてやってるのかなって思って。」

「………そんなこと、考えたこともありませんでした。
ですが、おそらく楽しくてやっているわけではないでしょう。やらなくてはいけないからやっているだけです。」



紫雨財閥令嬢という肩書きがある以上、いつかはしなくてはならないことですからね。



「じゃあ………デザイナーの方の仕事も?」

「いえ、それはまだ楽しいと思っていると思いますよ。」



梨沙さんがデザイナーだったこともあり、一緒にデザインについて教えて貰った時は楽しかったですしね。



「そっかぁ………。でもよかった!潔音ちゃん、いっつも仕事仕事で大丈夫なのかなって思ってたから。楽しいと思える仕事があるならいいね!」

「…………そうですね。心配してくださってありがとうございます。」