〜徹side〜
「本当に、申し訳ございませんでした。」
そう言って、最後に頭を下げた彼女は全てを語ってくれた。
「そのようなわけでして、梨沙さんも一紗も、もうこの世には居ません。」
聞かなければ、よかった………。
「聞かなければよかった、ですか………。」
「っ!!」
「だから言ったんですよ。聞かなければ、今まで通りでいられると………。」
年下からのでも、あそこまで忠告をされたのなら黙って受け入れるべきですよ。
彼女はそう言った。
「確かに、君の忠告を素直に受け入れていればよかったのかもしれない。」
「そうでしょう?………でも、それが人間なのですよ。知らないから、知らないままの方がいいと言われても知りたくなってしまう。そして、知ったら知ったで今度は知らなければよかったと言う。
……………人間は、そういう生き物なのですよ。」

