* * *



花火も見終え、私は速水花音様に着付けた浴衣を今度は脱がす為に、もう1度速水様宅へやって来ました。



「それでは速水花音様、この浴衣は差し上げますのでお好きなように。」

「お好きなようにって言われても………。」

「ここには桐タンスがあるそうなので、その中に収納していただければそれで大丈夫ですよ。」



桐タンスがあることには驚きましたが、まぁあってもおかしくはないですよね、この家は………。



「桐タンス………そんなの家にあったっけ?って言うか、何で潔音ちゃんがそんなこと知ってるの?」

「ある。俺が彼女に教えたからな。」

「あ、お父さん。」



扉を開けて入ってきたのは、速水花音様の父親の速水徹様。


今となっては、私に残る唯一の罪の象徴………。