何だか不思議そうな様子の潔音ちゃん。
「もしかして潔音ちゃん、綿あめとかラムネとか知らない?」
「こういうところに来ること自体が初めてなもので………、すみません。」
「潔音ちゃんが謝ることじゃないよ!って言うか、お祭りに来たことがない?」
「えぇ……まぁ。昔も今も勉強や仕事で忙しかったものですから。そう言う行事があることは聞いてはいましたけど………結局行けずじまいでしたし。」
「そっか………。」
潔音ちゃん、昔から窮屈な生活してたんだ………。
「じゃあ、今日は屋台全制覇しようね!」
「だから太るぞ。」
「うるさい。さ、潔音ちゃん行こ?」
「あ、はい。」
乙女に向かって太るだなんて禁句を言い放った隆二は放っておいて、私は潔音ちゃんの手を掴んでまず綿あめを売っている屋台に向かった。
その時、潔音ちゃんが私と繋がれた手を見ていたなんて気が付かなかった。
〜花音side end〜

