そう、潔音ちゃんは本当は予定があって夏祭りには来られないはずだったのだけど、その予定が急に無くなったらしい。
そのことを、今日着付けをしてもらっていた時に潔音ちゃんがポロリと呟いて、それならって私が潔音ちゃんを夏祭りに誘って連れてきた。
ちょっと強引だったかもだけど………。
「そう言えば潔音さん、父さんがたまには家に帰って来いって言ってたけど………。」
「………紫雨さん、家出……?」
「違います。」
「それなら俺も聞いた。携帯にかけても連絡がつかないって父さんめっちゃ心配してたよ。」
「えっ、潔音ちゃん本当に家に帰ってないの?」
しかも音信不通!?
「………最近は何かと他県での仕事とかが多くて、屋敷に帰るよりも別で寝泊まりする方が楽でいいんですよ。
まぁですから、家に帰っていないと言えば帰っていませんね。」
「そっか………潔音ちゃんも大変だね。」
人気デザイナーだし、紫雨財閥?の副社長的な立場だしね。

