白色の生地に何とかと何とかの濃さの違うピンクと、同じく濃さの違う薄紫色の花が可愛い布。
私好みだった最初のとは全く雰囲気が違うのにこれも私好みなのだから、潔音ちゃん私の好みを完全に把握したんだと思う。
前に一回聞かれたから答えただけなのに、凄いなぁ………。
「3つ目は、ピンク……と言うよりは限りなく白色に近い桜色の生地に濃さの違うピンク色の大きな桜と、それより少し小さい同じく濃さの違うピンク色の桜。そして、反対色の水色と紫色の小さめな蝶が施されています。反対色の水色が入ることで、先程の淡い印象を受ける反物よりも色合いがはっきりしているでしょう?」
「うん。」
「暖色系の中に寒色系が入ったので、ご希望だったピンク色と白色の可愛いとは少し違った感じになったかもしれませんが、3つとも速水花音様に似合うだろうと思いましたので選んできました。」
潔音ちゃんに………と言うよりは、あの皇一紗に浴衣の生地から選んでもらえるなんて、私一生分の運を使っている気がする。
「そう言えば、浴衣の柄にはきちんとした意味があることをご存じですか?」

