「もう潔音ちゃん!そんなことより早く上に行こ?浴衣浴衣!」

「そうですね………では早速採寸をしましょうか。お邪魔します。」



今日潔音ちゃんが私の家に来たのは、一週間後にある夏祭りで着る浴衣を作ってもらうのに必要な採寸をしてもらう為。



今はもう夜の9時で、外は真っ暗。


こんな時間になってしまったのは、潔音ちゃんの予定が詰まっていて当分忙しいとかで、今日の夜しか潔音ちゃんの予定が空いている時がなかったから。



「浴衣を作るにあたって、前にお聞きしましたご希望の色と柄に合った反物を持ってきましたので、どれか決めてもらえますか?」



潔音ちゃんは持っていたケースから長細い木の箱を取り出してその箱を開けると、中には可愛い柄の布。



「か、可愛い!」

「そう言っていただけると、選んだかいがありました。この中からお好きな反物をお選びください。」



選ぶと言っても、迷うなぁ………。