〜花音side〜



夏休みの中盤に差し掛かろうとしている7月下旬のこの日、潔音ちゃんが私の家にやって来た。



「初めまして、紫雨潔音と申します。」

「速水徹です。娘がいつもお世話になっているようで。」

「いえ、それは私の方です。学校に馴染めるようになったのも、速水花音様のおかけですので。あぁ、これお口に合えばいいのですが……。」

「これはご丁寧にありがとうございます。」



とても中学生としている会話とは思えない会話をしている潔音ちゃんとお父さん。



「このような夜遅くにお邪魔してしまい、真に申し訳ございません。」

「いえ、それは娘が無理を言ったからであって貴方の責任ではありませんよ。私も皇一紗の一ファンとして、貴方に会えたことを嬉しく思います。」

「そう言っていただけると、私の心も軽くなります。」



なんて言うんだろう………何か、お互いににこやかすぎて気持ち悪いって言うか………、怖い。