茜とのデートが終わり、俺は紫雨財閥の本社にやって来た。



何故本社に向かっているのかというと、帰宅途中に瑛斗から電話があって、屋敷に戻る前に本社に寄るように言われたからだ。



「私達が忙しく働いている中、如月茜様とのデートお疲れ様でした。それはさぞ楽しかったことでしょう。」



本社のエントランスに着くと、潔音が嫌味付きで俺を出迎えた。



まぁ嫌味はよくあることだから何ともないが、それもりも潔音のいつもと変わらない笑顔のはずなのに、その笑顔を見た途端悪寒がしたことの方が俺としては恐ろしい。



「お前………昨日結局終わらなかった書類を押し付けたことまだ根に持ってるだろ。」



まぁそれについては俺も申し訳ないと思っているが………。



「そのようなことはありません。ただ、私達が忙しく働いている中、社長であるお父様がこんなに忙しく働いている私と瑛斗様そっちのけでこんな夜遅くまで楽しくデートをしていたのだと思うと………。」