「そう言えば紫雨、この前頼まれた書類終わったぞ。」
「あ、本当ですか?ありがとうございます。後は私がやりますね。」
一条聖斗先生はお父様と違って仕事が早く、それに加えてミスもしないのでとても助かっています。
本当にいい人材を見つけました。
「今回も書類にミスはありませんね。」
書類の束の中身を確認して書類に不備がないことと、束に間違った紙が入っていないか、逆に抜けている書類がないかを確認し終え、その結果から一条聖斗先生への評価がまた上がりました。
「ご自分を天才と称するだけのことはありますね。」
「当たり前だ。俺は今までに経験してきたことや学んできたことを信じているからな。」
「………いいですね、そうやって自分の力や存在を疑うことなく素直に信じられるのは。」
「褒めてるのか?それとも貶してるのか?」
「褒めているんですよ。」
貶す必要性がありませんし、何より自分に自信が持てるのはすごい事ですしね。

