私は出先から帰って部屋に入る為に鍵を開けようとしていました。


そこへ、部屋から出てきたところでばったりと出くわしてしまったのです。


私は何も見なかった、誰とも出くわさなかったと思って無言で目を逸らして部屋に入ろうとしましたが、無駄に良い反射神経と運動神経に捕まり、現在尋問待ちです。



あぁ………もう少し遅く及び早く帰っていればこんなことにはならなかったでしょうに。



「ほら、コーヒー。」

「ありがとうございます。」

「ミルクや砂糖がいるか?」

「いりません。子供じゃないんですから。」



私が座っているソファーの反対側にあるソファーに勢いよく腰掛けるのは、私のクラスの担任の一条聖斗先生です。


このマンションの最上階には二部屋しかないので、必然的にもう一部屋は一条聖斗先生の部屋ということになります。



まさかもう一部屋の住人が一条聖斗先生だったとは………。