流石に疲れた様子の如月稜様と如月慧様を会場の出入口まで見送った後、私はお父様へ近付きました。



「お父様。」

「ん?あれ、潔音?どうして潔音がここに………。」

「そんな情けない顔をしないでください。
如月稜様と如月慧様はお疲れのご様子でしたので、一足先に別室へ言ってもらったところです。」

「そうか………。さり気なく悪口言われたような気もするけど………まぁいいか。
それにしても、稜と慧も初めてのパーティーであれだけ堂々としていられたのなら問題ないな。むしろ良く出来ていた。」



やはりそれとなく様子を伺っていたようですね。



「それについては私も同意見です。度胸と肝の据わり具合は、私も今回その認識を改させていただきました。
…………あの、如月茜様はどうなされたのですか?」



お父様と腕を組んでじっと佇んでいる如月茜様は、先程から一言も話をしません。


いえ、如月茜様に対して話しかけたわけではないので当たり前といえばそうなのですが…………静かすぎて気味が悪いです。