「まぁそれもこれも、どこかの誰かのおかげですね!」
しかし、ここはお父様と明言せずに罪悪感を与える言い方で言っておきました。
「どこかの誰かが私達をお見捨てになられたが為に、お母様はあんな最後を迎えることになってしまい、私はお父様に何を考えているのかわからない笑顔を意味も無く振りまくようになってしまった………。
本当、そのどこかの誰かとは、一体誰なのでしょうね。」
勿論お父様のことですが。
「ちょっと待て、あんな最後ってのはどういう意味だ。」
あんな最後はあんな最後です。
「それはこんなおめでたい日に言うべきことではありませんよね。」
「なら、また後日聞かせてもらうぞ。」
「嫌です。ご自分で調べたらどうですか?いつまでも子供に頼ってばかりでは情けないですよ?」
「潔香の最後を知っているのは「私だけ、ですか………。それはご自分の自業自得、自縄自縛ではないのですか?」…………潔音、俺は……。」

