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「いやぁ、寝てもいないのにこんなにすっきりしたのは初めてです。一条聖斗先生、お世話になりました。」



横になる前に比べれば随分と顔色の良くなった紫雨を見る限り、すっきりしたというのは本当なのだろう。



「今度からこんなことにならないように、しっかりと寝るんだな。それと、飯を食え。」

「私のスケジュールで言う限り、まともに寝られるのはお父様と如月茜様の結婚式以降です。結婚式は来月ですし、それまでに如月茜様のウエディングドレスとカラードレスを完成させなければならないので、多分寝られません。ですので、丁度休みに入る明日から仕事をお願いします。明日、私の家に来てくださいね。」



強引ではあるが、流石にこれ以上無理をすると身体のどこかに異常をきたす恐れもあるだろうと思い、了承した。



「それじゃあ一条聖斗先生、失礼いたしました。」



綺麗なお辞儀をして部屋を出て行った紫雨の背中は、今まで通り隙なんて微塵も感じられない立ち姿だった。



「本当に、自分を偽るのが上手いな。」



〜聖斗side end〜