そう聞く一条聖斗先生の眉間には、かなりの皺が寄っています。
まぁ、一条聖斗先生はこう見えて真面目な方ですから、年下………娘に仕事を押し付けて遊び呆けるお父様に不快さを感じているのでしょう。
「そうですよ?本当に度し難い人間のゴミ屑代表だとおもいませんか?
まぁお父様の仕事だけで睡眠時間は削られたりはしませんが、何せお父様の所為で学校にも通わなくてはなりませんので、とにかく毎日が忙しいんです。
それに第一、お父様は私が日々どんな生活を送っているか知りませんから、そこまで負担をかけているとは思っていないのでしょう。
まぁ、私からすれば蛇蝎を何乗にもした様な存在に私生活を知られるのは御免なので、放任されているのは別にいいのですが。」
そもそもの話、私は元々重度の不眠症なので眠る時には私が作った超強力な睡眠薬を飲まなければ寝られ眠れませんので、こうなる前から眠れていなかったと言えばそうなのですが………。
「………わかった、その話引き受ける。ただし、音楽コンクールには出ろよ。お前のそのヴァイオリニストとしての腕をそのままにしておくのは勿体ない。」
「そのくらいはします。元々はその音楽コンクールに出場する代わりのお願いでしたからね。」
コンクールに出るくらいで一条聖斗先生の助力を得られるのなら、コンクールくらいどうってことありません。

